令和7年第2回千代田区議定例会 代表質問への回答等(全文)
議長/区長。
区長/小林議員の区政運営に関する御質問にお答えいたします。
食料品を中心とする物価高が現在も続くなど、社会状況が目まぐるしく変化する中で、区民の皆さんは、現在の生活はもとより、将来への不安も抱えているものと認 識しています。そのため、招集挨拶でも申し上げましたとおり、まず最優先となるのは、暮らしを守る物価高騰対策です。
そして、最高水準の災害防犯対策、世界一安心安全な町、子育て世代やシニア、障害者御一人御一人が輝ける社会。
環境、デジタル、文化、スポーツで、100年後も持続的に発展する都市、こちら3つの柱が重点事項であります。
基礎的自治体として、あらゆる分野において区民御一人御一人に寄り添うと、区民生活の安心と幸せに着実につなげる各種施策を、より一層加速して推進していくことが重要だと考えています。
なお、詳細及び他の事項につきましては、関係理事者から答弁いたします。
議長/子ども部長。
子ども部長/小林議員の中高生世代応援手当に関する御質問にお答えいたします。
まず、本制度の目的と方向性についてですが、中高生世代応援手当は、子供の成長に伴い増加する教育費や生活費等の経済的負担を軽減し、中高生世代が安心して暮らすことのできる生活の実現に寄与することを目的に創設したものでございます。
施策の位置づけ等については、本制度の予算編成時に掲げた、子ども・子育て支援施策の3つの柱のうちの一つである「経済的支援」として位 置づけており、「子育て・教育環境の整備・充実」、「身体的・精神的支援」とともに、「子ども・子育て支援施策を総合的に充実し、誰もが出産・子育てに希望を持ち、安心して生み育てられる千代田へ」を実現していくものでございます。
次に、成果指標と波及効果の見通しについてですが、本手当が特定の使途に限定しているものではないことから、具体的な波及効果を見込むことや成果指標を定めることは困難ですが、今後、本手当の活用状況、教育支出や学習環境等への影響、教育に関する区民ニーズなどの実態調査を通じて、効果検証を行ってまいります 。
次に、施策の体系化と中高生の居場所づくりについてですが、区では、「子育て・教育ビジョン」に基づき、それぞれのライフステージに応じた支援の連続性を確保し、子育て・教育施策全体を俯瞰しつつ、中高生への支援を実施してまいります。
また、中高生が主体的に関わる居場所の整備についてですが、御指摘の文京区のような参考となる他自治体の事例がございます。
これらを踏まえ、本区としてどのような中高生の居場所づくりが必要かについて検討してまいります。
最後に、財源の確保と制度の持続性についてですが、本制度は、子ども・子育て支援事業基金を活用しており、一般財源に頼ることなく、事業を運営しているものでございます。
その上で、予算編成に当たっては、国・都の補助金等の歳入確保に努めるとともに、もろもろの事務事業の適時適切な見直しを図りながら、制度の持続的な運用に努めてまいります。
議長/教育担当部長。
教育担当部長/小林議員の和泉小学校・いずみこども園等の施設整備に関する御質問にお答えいたします。
当該施設の整備につきましては、小学校・こども園の機能継続などの観点から、隣接する和泉公園敷地への移転建替えを考えておりますが、その実現には、和泉公園の都市計画変更が必要となります。
このため、昨年度からは、小学校・こども園のみならず、公園も含めた全体の機能が向上するよう、地域からの御意見を伺いながら検討を進めております。移転建て替え自体については、おおむねの御理解をいただけていると認識しておりますが、限られた敷地面積の中で、学校と公園、双方の機能拡充を図ることや、公園閉鎖 期間中の代替機能の確保などについては、引き続き、検討を深める必要がございます。
本年度は、これらの方向性を整理した後、公園との一体的整備構想として取りまとめ、都市計画変更手続を始めていくことを目指しております。ポンプ所跡地については、まずは公園閉鎖期間中の一部機能の代替としての活用を考えております。
また、土地の購入については、現在、考えておりません。
最後に、周辺交通への影響については、移転建て替えのため、地域の交通量の総量が大きく変わるとは考えておりませんが、公園や学校の入口の変更などに伴う交通管理者 との必要な協議につきましては、時間に余裕をもって適切に進めてまいります。
議長/地域保健担当部長。
地域保健担当部長/小林議員の保健所の機能見直しのうち、災害時における役割についての御質問にお答えいたします。
保健所は災害発生時、傷病者が適切に医療救護を受けられるよう、区内の医療救護体制の確保と広域的な医療機能を調整する医療救護活動拠点の役割を担っています。拠点においては区内緊急医療救護所、地域医療機関や東京都との情報連携をつかさどる機能が求められます。
そのため、地域の被害状況や各緊急医療救護所の医療従事者の参集状況、傷病者の状況等をタイムリーに把握し、調整に当たることが必要であり、そういった観点からのDX機能整備が必要と考えております。
今後は、今年度新たに構築した区総合防災情報システムの各緊急医療救護所での活用について検討を進め、区と医療機関等とのスムーズな情報連携体制の構築を図ってまいります。また、拠点において集約した情報や経時的な対応記録等のDX化による、関係者間での情報共有ツールについても、順次整備を図ってまいります。あわせて、新たな防災アプリの区民への周知を図りながら、発災時の地域医療連携の強化に努めてまいります。
議長/地域振興部長。
地域振興部長/小林議員の町会・地域コミュニティ支援に関する御質問にお答えいたします。
まず、加入率向上や担い手確保、信頼性・透明性向上に向けた具体的な取組についてですが、区のウェブサイトにおける町会関係のコンテンツの拡充・再構築を図り、町会の理解促進や運営支援の情報共有に努めているところでございます。
また、今後実施する全町会を対象にしたアンケート・ヒアリングの結果を踏まえ、加入促進の手法や運営支援、DXの推進や信頼性・透明性向上に資する具体的な打ち手や来年度に向けた施策、組織の在り方についても検討してまいります。
なお、令和7年度中にも取り組めるものがあれば、試行的に取り組んでまいります。
マンション施策等組織横断的な取組については、京都市や新宿区の条例などを参考に検討をしてまいります。
祭礼文化の継承支援につきましても、アンケート等の結果を踏まえて、文化財的価値、コミュニティ的価値、両面から支援の意義について検討し、支援手法を考えてまいります。また、パトロールや防災訓練等については、現在も各地域で行っておりますが、こうした取組の見える化など、情報発信に努めるとともに、活動の活性化についても、関係部と連携して検討をしてまいります。
次に、地域経済活性化支援についての御質問にお答えいたします。経営相談窓口を縮小したとの御指摘でございますけれども、新型コロナウイルス感染症に係る「セーフティネット(4号)保証」の認定が終了したことに伴い、この受付窓口も昨年9月末日で縮小したところでございます。区の主たる役割は中小企業の信用力強化であると認識していることから、中小企業診断士による経営改善相談や資金調達に関わるアドバイスによって、融資効果の向上を図っております。
経営相談受付システムですが、導入後、24時間365日、インターネット上での予約受付が可能となり、事業者の利便性向上につながります。また、本年4月からは、常駐する中小企業診断士を3人に拡大したところでございます。次に、まちみらい千代田の創業支援事業「ビジネス起業塾」についてですが、本年度から受講後の伴走支援に力を置くように見直しをしたところでございます。
事業を縮小したものとは認識しておりません。創業支援については、関連する機関の連絡会を年2回開催し、持続的な連携を実現してまいります。最後に、産業振興基本計画についてですが、御指摘のとおり、とりわけ、商店街や観光振興、地方連携についてはコロナ禍の中での前回の改定でございましたので、状況が大きく変化しており、今後、改定時からの乖離や新たな課題の掘り起こしや分析のための調査等を実施してまいります。
議長/政策経営部長。
政策経営部長/小林議員の区政運営に関する御質問に区長答弁を補足してお答えいたします。
区では現在、第4次基本構想の下、毎年度の予算編成の中で、複数年度の視点も含め、「将来像に向けた方向性と取組」をお示ししています。また、分野別計画や主要施策の成果等とあわせることで、適正に進捗管理を行っており、重点政策についてもその中に包含されているものと認識しています。一方で、区民にとって進捗状況を分かりやすくお示しすることは引き続き課題と認識しています。また、議会との情報共有につきましては、これまでと同様に適切に行うよう努めてまいりますが、制度的な義務づけ等は、行政執行の適時性、迅速性との関係で課題が多いものと認識しています。二元代表制につきましては、首長と議会の議員が共に住民の直接選挙によって選出され、両者が対等の関係に立って、自主性、独立性を保ちつつ、相互の抑制と調和によって、地方自治の適正な運営を行うものであると認識しており、その考え方は今後も変わりありません。
議長/財産管理担当部長。
財産管理担当部長/小林議員の保健所機能の配置等に関する御質問にお答えいたします。
九段南一丁目地区の再開発ビルへの入居施設については、庁内の区有地等活用検討会で検討しており、現時点では、既存の生涯学習館の機能更新と、保留床が取得できる場合には、生涯学習館との連携が見込める千代田図書館等の配置を進めることとしております。千代田図書館の機能分散は課題として認識しており、他の区有地や再開発事業などを含め、解決に向けて検討してまいります。
また、本庁舎機能の配置に関しては、区民の利便性に加え、組織間の業務連携、職員の動線等を考慮し、効率的かつ円滑な運営が図られるよう、適切に対応してまいります。
議長/小林たかや議員。
小林議員/区長が今期4年で特に優先する政策分野はどれですか。
議長/政策経営部長。
政策経営部長/小林議員の再質問にお答えいたします。
区長が今期で特に重点的に進める施策ということでございますが、先ほど、区長答弁でも申し上げましたとおり、当面、物価高騰対策、こちらに注力しながら、3つの柱でお示しした、そちらの施策のほうを進めていくということでございます。
これら3つの柱につきましては、それぞれに独立して進めていくというよりも、それぞれが相互に補完しながら、それぞれ進めることによって全体として区民生活の向上、あるいは区民の幸せの向上、そういったものを目指すというものでございますので、これら3 つの施策、これを中心に進めていきたいというふうに考えているところでございます。