たかや区議会第2回定例会一般質問と回答

下記に、質問(問)と、区議会からの回答(答)の短縮版を掲載します

【問】
①治安悪化のバロメーターといわれる、アルファベット状のタギング落書きについて、現状を把握しているのか

②落書きは最初に公共の施設や看板に書かれ周辺に広がる。区の対処は

③既に対策窓口を設置している都との連携や、地域・学校PTA・ボランティアと情報交換し、対策を講ずるべきでは。

【答】
①他人の器物を破壊する許されない行為である。ガード下などの実態を把握している

②区有施設は即時に、事業所は連絡調整して対応している

③対策は「安全で快適な千代田区の生活環境の整備に関する条例」に基づき、地域の皆さんと協力し推進していく。

■■■道路・公園の管理について

【問】
①軽犯罪の温床となる、路上での違法ソフト販売の防止策を問う

②秋葉原地域の路上スケートボーダーによる危険行為に対する、区の考えを問う③公園での無許可の写真撮影会等に利用時間制限など管理対策を問う。

【答】
①警察と連携を強化し取り締まる

②警察と対応を協議し、路上巡視等を強化する③苦情もあり、区のパトロールを強化する。

■■■安心安全のまちづくりについて

【問】
死角をつくらないまちづくりに関する指針等はどう示し、活用しているのか。

【答】
千代田区安全・安心まちづくり行動計画を関係者に示し、死角をつくらないまちづくりなどの取り組みに活用している。

●●●さらに下記に詳細の質問内容を掲載します

平成19年第2回定例会に当たり一般質問をいたします。

現代日本では、社会生活のうえで「安全安心」が最も重視される問題のひとつであります。しかしながら、日々「安全安心」に十分注意ガ払われているにも拘らず、テレビや新聞では毎日のように「安全安心」とは程遠い各地の事件、事故が報道されております。私たちの周囲に多くの危険や不安が存在するという現実をふまえ、「安全安心」な社会生活を阻む身近に迫る危機について質問いたします。

■1.先ず、「都市景観の美観を損ね地域防犯意識の低下を招く、落書き等について」お伺いします。

今回問題とする落書きは、文化財とされる歴史的建造物に観光客や来訪者が描くものや天然記念物(モアイ像)や自然(サンゴ)を汚損する類の落書きではありません。都市における社会問題化しているタギング(tagging)と呼ばれる落書きについて問題とするものです。

タギング(tagging)とは、公共施設や他人の家屋・店舗等にスプレーや特殊塗料で勝手に描かれる英単語かどうかわからないアルファベット状の芸術性の無いマーク、または個人や集団のマーク(目印)とされるものを描いて回る行為を言います。繁華街、住宅街を問わず、街の彼方此方に散見され、社会問題化されて日も浅くはありません。(写真パネル)

このタギング落書きについて今回取上げたキッカケは、神田祭の最中に落書き反対の青年が「今ならまだ秋葉原は防止策を施すのに間に合うから落書きの現状が入っているこのCDを見てほしい」と1枚のCDを持って来たからです。

青年は、アルファベットの崩し字の落書きやガードレールや交通標識に貼られるシールは、地域の防犯力の弱いところを狙って描かれ、放って置くと増えていく、今回神田祭の人出を狙ってこれ見よがしに落書きして来ている。(写真パネル)このままにしておくと深刻な問題になると教えてくれました。

そこで、いただいたCDを見てビックリしました。今までは、他人事と思っておりましたが秋葉原だけでなく、小川町、神保町と神田の町が被害を被っていたのです。CDを見終えて、早速秋葉原周辺の調査に向かいました。

秋葉原周辺だけでも少なくとも約50箇所、新しいタギング落書きを発見しました。昌平橋トイレ側の物置2箇所の落書きは消された跡が残っていましたが、その隣の旧神田消防署(現千代田区所有)(写真パネル)には、堂々とタギング落書きされておりました。このようなタギングが千代田区のまちを狙って来たのです。

私はタギングの現状をもう少し知らなくてはならないと思い、その青年にタギング事情を聞いてみました。

最近の実例としては、先ず渋谷区代官山が標的になり、かなりひどい被害にあいました。そして、それが山手通り・明治通り沿いにドンドン拡がって(写真パネル)防犯意識の低いところへ勢力を伸ばして行ったのです。この勢力が秋葉原にも入って来ているのです。(写真パネル)

タギングの進入仕方は、電柱・ガードレールなど先ずは小さい物へマーキングし、それが消されないと東京電力の変圧器BOX、交通標識、公共の看板、公共掲示板、廃屋の壁、消火器収納箱、防災倉庫等とだんだんと大きなものに描き、それに従いアルファベットの文字も大胆に大きくなります。次に公立小学校・幼稚園の近辺の地域にマーキングを繰返し、数を増やして行きます。タギング犯は多種多様の集団で活動しています。タギングで治安が低下すると少年非行、万引き、薬物売買、違法品の路上販売、不審者の夜間徘徊など犯罪の増加が顕著に見られます。

公立小学校幼稚園を縄張りにすることで、その地域の治安を悪化させ、保護者に特に若い母親にこの学校周辺は、治安が悪いので行かないようにと仕向けて廃校にまで持ち込めればそこで楽々と活動ができると考えているようです。これに対応するには官民学が連携して情報交換し、描かれたらすぐに消去することだそうです。渋谷区代官山は、今では落書き消しを丹念にやって落書きを減らしたことで全国的に有名になりました。

青年からこのようなタギング犯罪の事情を聞き、これは放っておけないと思った次第です。

では、タギング犯罪に対抗して他の地域では、どんな取り組みをしているのでしょう。一例ですが先日の5月31日の新聞によりますと、渋谷区東(ひがし)2丁目で東京都と渋谷警察署が5月30日に街の壁の落書きを消して景観を明るくし犯罪を防ごうと「渋谷区落書き消去・壁画作成キャンペーン」を始めたと報道されました。このオープニングイベントでは、住民と都職員、塗料・塗装業者らが協力し合い壁の落書きを消しました。その後地元の日本デザイナー学院の学生がボランティアで壁画を描く予定です。昨年11月にも東京都では、杉並区、荻窪警察署、杉並警察署と共同し、青梅街道天沼橋(杉並区阿佐谷南3丁目)におきまして、地元ボランティアの協力を得ながら、落書きの消去活動と壁画作成に取り組んでいます。
このように被害にあった地域は、2度と落書きがされないように住民・自治体・企業・学校などが協力して落書き消去活動と落書きされない工夫をしております。このような活動をしているところは、落書き犯もやりにくいでしょうし、消去活動が始まったことでこの地域での落書きは避けるようになります。

ここでお尋ねします。

当区は、治安悪化のバロメーターと言われている落書きの現状をどの程度把握しておりますか。私が知りえる範囲でも先ほど取上げました通り、秋葉原に留まらず小川町、神保町までタギング被害を発見しましたが、千代田区のタギング被害の実態をどのくらいつかんでいますか。

また、このタギング犯罪についてのご見解について併せてお答ください。

次に、タギングは、「公共施設や公共看板等が初め標的にされ、周辺に拡がっていく」と言われていますが当事者の区有施設に落書きされた場合は、どのように対処しているかお伺い致します。

私が秋葉原周辺を調査しました結果、まさに公共施設が定石どおりタギング被害にあっておりました。以下に示す区の管理する公共物にタギングがされております。

1. 外神田3-4の千代田区エリアマップ

2. 外神田2-14の千代田区広報掲示板

3. 区所有の旧神田消防署

4. 区管理の消火器収納箱

5. 外神田住宅のドア

6. 千代田区設置路上禁煙看板の裏面

7. 芳林公園内の柵・橋脚・防災倉庫

8. 芳林公園内の東電変圧器BOX

9. 昌平幼稚園の東電変圧器BOX

これらの中には、最近描かれたものがあり消去された形跡もありません。

この周辺の交通標識や民間の自動販売機、民家など周辺に拡散しているように感じられます。

ここで質問いたします。

タギングは、描かれたらすぐに消すのが拡散防止の決め手と言われておりますがこの間、当事者としての千代田区が危険サインを見落とし、放置していると考えられます。どのように対処しているのかお答えください。

次に「タギング対策について」お伺いします。

秋葉原の現状を見ると軽犯罪につながるタギングを昌平小学校幼稚園の活動範囲で放置しているのは子どもたちにとって危険と言えます。

他の自治体では、タギングに対してどのような取り組みをしているのでしょうか。

東京都は、すでに青少年・治安対策本部に対策窓口を設置し、落書き消去マニュアルを作成し相談に応じております。そのマニュアルによりますと落書きは美観を損ねるだけでなく治安悪化のバロメーターであり、速やかに消すことが大切でマニュアルを使って落書きを消そうと呼びかけています。都は、落書き消しに立ち上がった地域住民と地元市区町村と連携して街ぐるみ行う落書き消去のモデル事業を実施しています。実際、町田地区、青山地区で落書き消去を行った例を上げています。

また、鎌倉市は、平成15年、実態調査を行い市民団体等を交えた「まち美化推進協議会」で協議し、落書きされない環境づくりを目指すために「落書き防止条例」を制定し平成17年4月1日施行しました。鎌倉市の落書きも多くがタギングです。

同条例では、市の施設などに限らず落書きされた建物や土地所有者および管理者に対して落書きした者を特定できない場合、市長は消去など「必要な措置を講じるよう要請することができる」と定めています。これは鎌倉の街全体として落書きを無くそうとする市の姿勢を明示したもので、そのため、以前から落書き消しを行ってきた市民団体は法的担保を持つことで活動がしやすくなるとともに、国道等を管理する藤沢土木事務所などの協力も得やすくなっています。市は落書き対策として市民からの通報、また市職員が巡回し落書きを発見し、順次消去という流れをとっています。昨年度は11月末時点で約170カ所の落書きを消去したそうです。鎌倉市以外にも、すでに同様の条例を茅ヶ崎や平塚、三浦、厚木、秦野の各市が制定しています。

岡山県は、平成14年度から落書きを禁止するとともに、違反者に対する罰則規定を盛り込んだ「岡山県快適な環境の確保に関する条例」を施行しました。併せて、各地域で落書きの消去活動や防止活動が一層積極的に行われるよう、これまで消去活動等に積極的に取り組んでいただいた方々等との共同し、地域ぐるみの対応の必要性や活動の手順等を紹介する落書き対策の手引きを作成しました。また、落書き防止に向けた環境づくりを行う地域ボランティア「落書き防止活動推進員」の設置や民間ボランティア団体等の行う落書き消去活動への助成等により、落書き対策に積極的に取り組んでいます。

ここで質問します。

千代田区も他の自治体同様に東京都と連携をとって地域・学校PTA・民間ボランティアと情報交換を始め対策を講じるべきではないでしょうか。

この点は、どのように考えているかご見解をお願いいたします。

■2.次に「道路・公園の管理について」お伺いします。

1.先ず始めに「区道上の路上販売の実態について」質問します。

現在秋葉原地域で行われている路上販売は区道を占有して商売をするもので一部を除きPCソフト海賊版や違法DVDなどのCOPY 商品です。以前から警察に摘発され逮捕者が出ているにも拘らず全く減ることなく、小学校の通学路上にも進出しています。今までは、裏通りが主でしたが最近、土日では中央通りの歩道まで路上販売が行われるようになりました。犯罪行為が白昼堂々と行われている実態を当区はつかんでおりますか、お答えください。

私は、現行の路上販売は商店街の商業活動を阻害し、軽犯罪の温床になると考えております。こちらも区の見解をお伺いします。

2.次に「区道上でのスケートボード利用について」質問します。

秋葉原駅前再開発が開始される6年前は、旧神田青果市場跡地の秋葉原駅前に千代田区がスケボー広場を設置し深夜までスケートボードの愛好家で賑わっておりました。現在その場所は再開発が完成しダイビルが建っています。スケボー広場がなくなったとは言え、この歴史を持つ秋葉原にはスケートボーダーが集って来ます。今度は、ヨドバシカメラ側の区有料トイレあたりから有料駐輪場前の区道上に集まって来ています。勿論そこは区道でありスケボー広場ではありません。少人数でスケートボードをやっているうちは、問題になりませんでした。富士ソフトビルが竣工、その街区につながる区道が完成し歩行出来るようになった今日では、夜になると多くのスケートボーダーが区道上で障害物をかわしたりジャンプ台からジャンプしたりして遊んでおり、危険で歩行が出来ません。深夜の場合など注意することも出来ず、区道を避けて別の道を通らなくてはなりません。

ここで質問します。

当区は、先ず、この実態をご存知ですか。

千代田区は以前、空地の暫定利用として秋葉原駅前にスケボー広場を設置しておりました。その遺産とも言えるこの状況をどのようにとらえて、どのように考えているかお答えください。

■3.次に「公園の特定利用者に対する利用制限について」質問します。

芳林公園では、毎週土日に決まって撮影会が開催されております。これは、公園を撮影会場にした営業活動です。ネットで日時、会場、料金、出演者の告知を行い開催されるものです。勿論千代田区として撮影の許可は出していませんが、そんなことはおかまいなしで毎週開催されます。その動員力は凄まじく、土日の昼間は子どもたちの遊べる場所がないほどです。先日の日曜日も主催者に撮影をやめるように注意しても、区の許可を取っていると嘘を言ってやめませんし、強く注意するとその時だけ姿を消します。また、同好会と称して、踊りをする集団が深夜まで公園を使用していることがあります。ぬいぐるみを着て深夜まで踊る姿は、騒音とともに近隣の住民から苦情が寄せられています。

ここで質問します。

当区は、先ず、この実態をご存知ですか。

公園利用は他人に迷惑をかけなければ誰がいつ利用してもかまいませんが、芳林公園のような公園の特定利用者について、どのように考えているかお答えください。

また、公園の特定利用者に対する利用制限については、深夜利用を控えさせるなど時間制限や公園の施錠管理を含めて対策をお答えください。

■4.最後に「安心安全のまちづくりについて」お尋ねします。

安心安全のまちづくりをするには、死角をつくらないまちづくり設計をしなくてはならないと言うことです。

この課題は、平成17 年千代田区「青少年モニター」からの提言の中で既に取上げられております。モニターは、区内の13校の高校生25人が半年かけてタウンウォッチングし提案したものです。1部の1、明るい街への期待(1)物理的、心理的な「まちの死角をなくす」という提案で、この報告書は区長、教育長に内容を丁寧に説明して直接、手渡しされていますので、区長はご存知だと思います。報告書の内容は、人々の協力と施設の改良を実施することで、物理的、心理的、両面から「まちの死角」をなくすという指摘です。若い新鮮な視点での提言はまさに的を射ており、具体的な対応が期待されるところです。

先ずここで、質問します。

当区として、「青少年モニター」の提案を受けて具体的にどのように行政施策に取り入れたのですか。お答えください。

次に1.死角をつくらないまちづくり設計について質問します。

物理的、心理的両面から「まちの死角」をなくすということを念頭において考えますと現在のように再開発で次々新しいビルや施設が出来る状況下では、新たにうまれる建物裏側の敷地、通り抜け通路、オープンスペース等や総合設計制度で作る公開空地・ポケットパーク、駐車場駐輪場等を含めた樹木や工作物に至るまでをトータルに考え、総合調整者の区が適正配置行わないとまちに死角を作ってしまう危険性があります。必要に応じた地上障害物の撤去、道路公園の見通しの確保、監視カメラの設置、照明に工夫し暗がりをなくすといったまちの客観的設計が求められるのです。「まちの死角」をなくすことを物理的に配慮したまちの設計が必要なのです。

一方、心理的側面とは、急激に人口が増加したまちには官民の巡回パトロールやまちぐるみでのあいさつ運動・声かけ運動等を行うことが「まちの死角」をなくすと考えられます。まちは、これらの両面の対策を実施することで「まちの死角」を少しでも減らすように努めないといけません。

他の自治体ではどのような取り組みをしているのでしょうか。東京都は、安全・安心まちづくり条例に基づく指針を示し、犯罪の防止に配慮したまちづくりを進めています。

江戸川区は、急増する犯罪の追放に向けて江戸川区安全・安心まちづくり運動大綱を平成15年に策定して、安全・安心まちづくりをハード対策・ソフト対策にわけて役所と地域ぐるみで取り組んでいます。

千代田区のように昼間人口と夜間人口の格差の激しく、様々な来訪者を抱えるまちでは、特に物理的な対応と対策を先行して行わないと安全で安心できるまちは維持できないと思います。

ここで質問します。

千代田区には、安全・安心のまちづくりに関する指針や大綱、ガイドラインはあるのでしょうか。あるならばどのように示され、活用されているのでしょうか。

また、千代田区が総合調整者として、強力なリーダーシップを発揮しハード対策を先行して実施することが千代田区の安全・安心のまちづくりの要となると思いますが、この点の区の認識とご見解をお伺いします。

以上の点について区長並び関係理事者のご見解をお伺いさせていただき、私の一般質問を終了させて頂きます。

(再質問)

6月6日、幼稚園、小・中学校をはじめ、町会、商店会、環境美化団体、JR・東京メトロの各駅、警察・消防署、官公庁・企業など、約150団体、約5,000人が、区内一斉清掃を実施したとの報告がありました。ゴミ拾いは、勿論ですがこの一斉清掃時にタギング落書きのような危険なサインを消すはがすという活動を区が積極的に行う姿勢が必要ですがご見解をお願いいたします。