はじまっている区分所有マンション放置時代!イベントに参加してきました

2016年1月26日に”景観と住環境を考える全国ネットワーク“が主催する題記イベントに参加してきました。

現状、千代田区含め日本社会全体にとって大きな問題となっている空き家問題。今回のイベントは私にとっても大きな関心事である為、大変勉強になる充実した時間を過ごすことができました。非常にざっくりとではありますが皆様にも一部共有させて頂きたいと考え以下にご報告いたします。詳細全部ではありませんが様子が伝われば幸いです。スピーカーの牧野知宏氏、祢宜秀之氏、野口和雄氏、皆さん非常にうまく楽しくお話しをしていただきました。

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マンション空住戸の実態と問題解決の為の処方箋
1月26日 小林たかや出席レポート

【現状の確認】
マンション空住戸問題の実態
全国で820万戸の空き家が日本にある。全国の空き家率は13.5%
前回調査時に比べて8.3%増加。特に大阪市は16.9%で県レベルを超えた空き家となっている。資料:総務省「住宅土地統計調査」
個人住宅が空いている。空いているうちの半分は賃貸対象物件。
首都圏の現状      東京80万戸。神奈川、埼玉が続く。リーマンショック以降年間平均10万戸ずつ新規マンションが増えている。現状マンション601万戸。都内のマンションは空き家が多い。マンションは空き家かどうかが外から見たときにわかりづらい。戸建ての場合にはわかりやすい。

【都会の問題】
-世帯主の高齢化-
60歳以上が世帯主のマンションは半数以上。50歳以上が世帯主のマンションは73%
10年程度で多くの世帯主が後期高齢者となる。単身世帯が急増する為空予定となるマンションも急増中。

-マンションの老朽化/旧耐震-
旧耐震として建替え推進対象は全国で21200棟ある。現状までに建替が実現したのは226棟のみ。対象の1%しか建替え実現していない現実。
何故建て替えが進まないのか?
既に容積率いっぱい。住民高齢化による収入減で建て替え資金がない。建て替え中の移転先確保が難しい。
-今後のキーワード-
LCC(ライフサイクルコスト)”長期修繕計画”を考えることが重要

-現状の行政の対応-
マンション建て替え推進の試み 法律2014年12月できた 改正マンション建て替え 区分所有者の4/5の賛成でできるようになった 建て替え主体はデベロッパー、ゼネコンでもOK 買受主が自治体に買受計画を申請、認可必要 自治体は容積率緩和してあげる 住民は再度入れる(売ったお金で入れる)
組合員の合意形成 マンションの議決権1戸1票は矛盾
共有持ち分割合に応じた議決権割合にしないと解決しない

-そもそもの問題点-
・日本の中古マンションは中古になった時点で減額されるのが問題。海外は中古でも高くなっていく。今とは異なる中古マンションのマーケットの作成が必要
・賃貸用の空き家は、高くなったときに売ろうとして保有しているものも含まれる
・住民の無関心
・管理会社が不良
・マンションスラム化
※(高層)マンションは建てる最中も、建ったあとも、老朽化した後も問題。
1991年に建ったマンションがスラム化、貧困者が集まり、暴力団による占拠、大量のウジが・・・

-解決策の提案-
行政によるマンション整理機構を作ってマンション売却させる
機構は個別住戸を買い取る(土地代評価程度) 住民は終身利用が可能(気取価格の金利分程度を「家賃」として支払い)全所有者分の引き渡しが完了した時点で機構が再開発

-現状できること-
現在マンションに住んでいる人たちは、本当の意味でのコミュニティの作成をする。
マンション住民による自覚と責任を住民ひとりひとりが持つ。お祭りやBBQではなく一緒に管理していくという意識を持つことが大切。

-マンション管理の成功の秘訣とは-
マンションスラム化をさせずに管理を成功させる為には、ハード(建築・設備、改修改良工事、大規模修繕、長期修繕計画、図面、その他)、ソフト(管理規約・規制改正、ルール作り、イベント、コミュニティづくり、ニュースなど)、マネー面(管理積立金、滞納者対策、合理的な支出の見直し)の3つがしっかりしているとマンション管理機能は機能することができる。
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上記内容だけではうまく伝わらないと思います、申し訳ないです。
実は「ちよだの声」で2月20日に今回のスピーカーでした牧野知弘氏、野口和雄氏をお招きして区政報告会後に勉強会として講演をしていただくことを計画しております。是非、ご興味持っていただける方はご一緒に話を聞いて千代田の未来、日本の未来について勉強して考えて参りましょう。