ワテラスにおけるドローン緊急支援物資輸送実証実験レポート
令和8年6月6日、ワテラス広場において、ドローンを活用した緊急支援物資輸送の実証実験が実施されました。

今回の実証実験は、災害時に高層マンションや高層ビルの上層階へ迅速に医薬品や飲料水などの支援物資を届けることができるかを検証することを目的として行われたものです。
実施場所としてワテラスが選ばれた理由は、ワテラス広場と隣接する淡路公園が千代田区の重要な防災拠点として位置付けられていることにあります。平常時は地域イベントの会場として活用されていますが、災害時には防災活動の拠点となる場所です。その防災訓練の一環として、ドローンによる物資輸送の可能性を検証する実証実験が企画されました。
近年、ドローンは物流、測量、点検、防災など様々な分野で活用が進んでいます。しかし、行政関係者や地域住民の中には、実際にドローンが飛行する様子を見たことがない方も少なくありません。防災分野においても、ドローンがどの程度実用的なのか、十分に認識されているとは言えない状況があります。
そのため、今回の実証実験では、実際の防災現場を想定しながら飛行を行い、ドローンの有効性と安全性を関係者に直接確認していただくことを大きな目的としました。
都心部、とりわけ千代田区のような高層ビルや住宅、商業施設が密集する地域では、ドローンを飛行させることは容易ではありません。航空法をはじめとする各種法令への対応に加え、関係機関や施設管理者の理解と協力が不可欠です。
今回は、関係機関から必要な許可を取得し、ワテラス管理組合理事会、安田不動産株式会社をはじめ、多くの皆様のご理解とご協力をいただいたことで実施することができました。
当日は、神田消防署、警視庁神田警察署、千代田区役所をはじめ、品川区、市川市などの自治体関係者や防災担当者も視察に訪れました。また、高層マンション管理組合関係者の中には、「自分たちのマンションでも同様の実証実験を行えないか」と関心を寄せて見学に来られた方もいらっしゃいました。
今回の実証実験で最も重要視したのは、「安全に飛行を完了すること」でした。
ドローンはワテラス広場から離陸し、高さ約165メートルの建物屋上まで飛行しました。万が一にも事故や墜落が発生すれば重大な影響を及ぼすため、飛行エリアの確保、監視体制、誘導体制など、細心の注意を払って準備が進められました。
実験では、飲料水や医療物資を想定した荷物を搭載し、屋上への輸送を実施しました。ドローンは非常に安定した飛行性能を示し、上昇・下降ともにスムーズに行われ、物資を確実に搬送した後、安全に帰還することができました。
この結果は、ドローンが災害時の緊急物資輸送手段として十分な可能性を有していることを示すものであり、参加者の皆様にもその有効性を実感していただけたものと思います。
現在、ドローンは建物の外壁点検にも活用されております。従来は足場の設置に多額の費用が必要でしたが、ドローンによる赤外線撮影を活用することで、ひび割れや劣化箇所を効率的に確認できるようになっています。
さらに今後は、防災分野においても、
* 医薬品や飲料水の輸送
* 被災状況の確認
* 孤立地域への支援
* 行方不明者の捜索
* 災害情報の収集
など、多様な活用が期待されています。
今回の実証実験を通じて、ドローンが特別な機械ではなく、私たちの暮らしや地域防災を支える新たなインフラになり得ることを、多くの皆様に感じていただけたのではないでしょうか。
現在、実証実験を実施した株式会社ハミングバードは千代田区との防災協定を締結しておりませんが、今後は区との連携や協定締結も視野に入れながら、災害時の運用体制を構築していくことが望まれます。
また、ドローンの配備だけでなく、操縦資格を持つパイロットの育成も重要な課題です。機体は高額であり、操縦者の養成にも相応の費用がかかります。しかし、災害対応能力を高めるためには、自治体、企業、マンション管理組合などが連携しながら、地域全体で体制を整備していく必要があります。
私は、将来的には千代田区内の高層マンションや高層ビルにおいて、ドローンを活用した防災体制が整備され、災害時に迅速な物資輸送や情報収集が行える環境を構築していくべきだと考えております。
今回の実証実験は、ハミングバード社の技術力と熱意、そしてワテラス管理組合理事会並びに安田不動産株式会社のご理解とご協力によって実現いたしました。
この成功事例が、今後、千代田区内の他のマンションや高層ビルへと広がり、防災力向上につながることを期待しております。
ドローンは、防災だけでなく物流やインフラ点検など、様々な可能性を持っています。本日の実証実験を通じて、その有効性と将来性を改めて実感することができました。
引き続き、千代田区の安全・安心なまちづくりのため、防災インフラとしてのドローン活用を推進してまいります。
令和8年6月6日
千代田区議会自由民主党 幹事長
千代田区議会議員 小林たかや







