H25年第3回定例会 たかや ちよだの声 代表質問全文

平成25年第3回定例会にあたり、ちよだの声を代表して質問いたします。

1.基本計画の改定について

9月8日の早朝2020年のオリンピックとパラリンピックが東京に開催地が決まったことは、日本中を沸き立たせました。この結果を勝ち取った関係者 のご努力に敬意を表します。また、私たち議会や執行機関としても、この時期にオリンピック東京招致が決定しましたことが基本計画改定中の千代田区にとって も誠に良いタイミングだと考えております。千代田区が2020年をどのように迎えるか、どんな時代になるかは、平成26年度までの次期基本計画の改定で決 まります。これからの1年は、第3次住宅基本計画、保健福祉総合計画、公共施設白書等とあいまって、区民にとって千代田区の将来を決める重要な時期になり ます。

これまでの長期総合計画策定経過と特徴を大くくりに整理してみます。

1978年(昭和53年)に第1次総合計画が策定され加藤清政区長時代のバブル景気の10年間は、千代田区の良さが急激に失われる中で、教育と文化を守っていくことこそが千代田区の魅力を死守することであるという姿勢が特徴でした。

1992年(平成4年)第2次長期総合計画を木村茂区長が策定します。定住人口が5万人を切り1999年(平成11年)39,264人になりまし た。コミュニティー崩壊の危機と同時に自治体存続の危機を迎え、公共施設適正配置構想により、都心居住の大切さを内外にアピールすることで、ドーナッツ現 象と言われた都心の空洞化を回避する政策をとりました。

2001年(平成13年)第3次総合計画が石川雅己区長のもとで策定されます。石川区長は、千代田市を宣言し、100万人の都市としての千代田区をアピールしました。企業、大学、住民とさらには子育て人口も都心回帰が進み、こうした中で定住人口5万人が回復しました。

そして、この度2010年代、長期総合計画第4章ともいえる第4次総合計画の始まりです。2020年の東京オリンピックを軸に千代田区の10年をど のように描くのか。何を新たにつくり、何を存続させ、何を見直すかをこの計画で示し、さまざまな区民の参加・参画のもとに成熟した議論を1年半かけてじっ くりしていかねばなりません。

ここで、いくつか質問します。

 1-1 基本計画の期間について質問します。

今回の基本計画の策定は、2014年度(平成26年度)改定となっております。

期間については、まだ示されておりません。

そこで、2020年東京オリンピック開催の年を軸に2015年スタート、開催後5年の計画として10年計画にしたら、わかりやすいと考えますが、どのようにお考えですか。

 1-2 今回の基本計画の位置付けについてお伺いいたします。

第3次基本構想は、2001年(平成13年)に策定され、既に15年経過しております。あと5年後には、新しい基本構想(期間20年)を策定しなく てはなりません。平成23年の地方自治法改正で基本構想が議会の議決を必要としなくなりました。そのため現在では、基本構想と基本計画をあわせている自治 体もあります。そこで、今回の基本計画を基本構想とあわせた計画と位置づけると、基本計画をじっくりと策定できると考えますが、どのようなお考えかお示し ください。

 1-3 今回の基本計画の策定は、全庁的な取り組みになっているかどうかが重要です。どの部も日々の課題や行事に追われ、人員も削減される中で、5年先10年先より、現在のことで精一杯です。形式的な全庁的取り組みを仕掛けても良い結果は期待できません。

改定に当たり、各部各課の全庁的な取り組みになっておりますか。

政策経営部だけで計画しては、千代田区全体の計画とはなり得ません。私は、各部各課は日常の業務をこなす事で一杯なのではないかと心配しておりま す。そこで、第3次総合計画を振り返って、この15年間に千代田区として、何が出来て、何が出来ていないか。全庁的な総点検が各部、各課で行われているの か。各部、各課は課題をつかんでいるのか。私の知る限りでは、区の事業運営に永年協力してきた団体や個人の方々は、基本計画が改定されることを殆んど知り ません。各部、各課は、計画策定にあたり、それらの方々にそれぞれの課題を説明し、意見を求めているのか。聞いた意見をどのように計画に反映させるのか。 基本計画の取りまとめを行なう政策経営部と各部、各課が形式的な関係でなく緊密な連携をどのようにとっているのか。お答えください。

 1-4 基本計画改定の際の区民の参加・参画について、お伺いします。

先ず、区民検討会(区民会議)設置についてお伺いします。

基本計画の改定にあたり、区の課題や将来像を区民同士が議論する区民会議が設置され、8月から9月までに三日間開催されました。メンバーは、在住者 4千人、在勤・在学昼間区民3千人を無作為抽出し、参加希望者430人から、地域・年齢等バランスをとって在住区民40名、昼間区民16名を選定し8グ ループに分けて6つのテーマを議論。ここで議論された意見・提案は、基本計画の改定の検討に活用されます。千代田区として、こういった区民参加の手法は始 めての試みで今まで多様な区民の意見を聴取することが難しかったことを解消する1つの有効な手法であり、私は、新たな参加手法として区民に区政情報が提供 されたこと等を評価いたします。

ここで意見を述べる区民は、無作為抽出のプロセスを経て7千人から56人を選定したものであり、確率的には宝くじに当たって発言できるというくらい の大変、稀な機会を得た人達です。声なき多数の区民の声を聞くことが、区政運営に大変役に立つと思います。これをどのように基本計画の改定の検討に活用す るお考えかお答えください。

私はこの手法には賛成ですが、構成メンバーは、区民の代表ではなく、たまたま選定された方々なので、区民の多様な意見を知るためには新たに構成メンバーの入れ替えをして、再度開催することが有効と考えますが、今後、区民会議をどのように運営していくのか、お答えください。

また、一方で区の事業の課題に長年取り組んできた人々や団体の意見を各部各課が吸上げて区民や区議会に対して提示しないまま今後を進めてはいけないと思っています。この点について区の見解を求めます。

次に具体的なことについて質問します。

オリンピック招致東京のプレゼンテーションで猪瀬都知事は何を話したか皆さんご存知と思います。猪瀬都知事は、「私たちは、大会を確実に成功に導く ため、宿泊やセキュリティといった、すべての重要な分野において、東京が擁するインフラを提供いたします。輸送面でも、交通網がすでに整備されており、確 実な能力を有しています。この大会が開かれる2020年の東京では、誰もが常に時間通りに目的地へ到着することができるのです。」と述べられました。この プレゼンテーションは、世界の皆様に約束をしたということです。千代田区は、競技会場や競技ルートとなります。観客の移動手段として地下鉄などの交通機関 が利用されます。海外からの観光客の増加に拍車もかかります。まさに、千代田区は、真ん中にあるわけですから、千代田区が東京オリンピックの「おもてな し」の中心と言っても過言ではありません。これを機に「おもてなし」をする上でインフラとハード面、ソフト面の総点検を徹底的にやらなくてはなりません。

先ず、特に気になる点をお伺いいたします。

 1 バリアフリー化について、質問いたします。

千代田区は、平成13年に千代田区交通バリアフリー基本構想の策定をしました。自治体の区域全域を重点整備地区として10ヶ年の事業計画を策定、事 業を推進してきました。地下鉄やJR駅等のバリアフリー化の 目標は、どこまでが達成されているのですか。まだ出来ていないところは、どこか。今後どう進 めるのかお答えください。

また、バリアフリー法により、一路線1ルートが出来ていても、見直しをしなくてはなりません。2ルート目がないことで区民に不便な思いをさせている 実態があります。ご存知の麹町や神保町です。再開発と同時に整備するだけで見直しをしないのは、文化都市千代田としては如何なものでしょうか。区のご見解 を求めます。

2 観光について、質問します。

改定千代田区商工振興基本計画(H24年~H28年)の中に観光施策の推進をあげています。

計画では、世界的な都市型観光の拠点として、積極的な情報発信と魅力ある観光イベントの実施により、千代田区を訪れる来街者を増やすとともに、その 受入れ体制の充実を図ることで、おもてなしの環境づくりを推進していくとしました。事業内容としては、観光客受入れ体制の整備、具体的に観光案内所の整 備・拡充、多言語ガイドマップの作成、観光ガイドボランティア派遣事業などです。例えば昨年、IMF・世界銀行定期総会が丸の内で開催され、初めて英語の MAPが出来たという状況です。中国語、ハングル語は、必須ですし、MAPだけでなく紹介ビデオなども必要です。また、来街者は、その土地の歴史文化を見 ることが好きです。標柱、標識、看板、坂や道や歴史由来の表記など設置主体も冊子もバラバラな状況をこの機会に一度整理して、国内外に発信するべく作業を 進めていただきたいとのです。千代田区観光協会との役割分担があると思いますが、これらの目標は、どこまでが達成されているのですか。まだ出来ていないの でしたら、何を今後どう進めるのかお答えください。

 3 路上禁煙と喫煙所について、質問します。

千代田区は、千代田区生活環境条例により、区内のほとんどの地域が路上禁煙地区となっております。今後、海外からの観光客の増加が見込まれる中で路 上禁煙地区においては、道路上で喫煙する行為及び道路上(沿道植栽を含む。)に吸い殻を捨てる行為が禁止されます。これをどのように観光客や来街者に周知 するのですか。また、これから増加する観光客や来街者に喫煙所の設置場所を知らせなくてはなりませんし、そもそも、絶対数が少ない喫煙所をどうされるの か、あわせてお考えをお示しください。

 4 区内における居酒屋等の客引き行為について質問します。

前回の定例会で、私は、

(1)居酒屋やカラオケ店等が客引きを行い、区民や来街者に迷惑を掛けている実態があるか

(2)区民や地域団体から新宿区が制定したような条例を制定してほしいとの要望は寄せられているか

(3)         同様の条例を制定する考えがあるか

について質問致しました。その後の区の検討状況はいかがでしょうか。

オリンピック・パラリンピックが東京で開催されれば、千代田区にも外国から多くのお客様がいらっしゃいます。現在の区内における居酒屋等の客引き行 為は目に余るものがあり、まさに「おもてなし」の観点からも早急な是正が求められていると考えますがいかがでしょうか。あらためて区の見解を求めます。

 5 放置自転車についてお伺いします。

観光客や来街者をおもてなしする上でも、駅前の路上などの放置自転車は一掃しなくてはなりません。増え続ける放置自転車対策を今後どう進めるのかお答えください。
次に

2.  「2020年の東京」についての見解をお伺いします。

2011年(平成23年)に石原 愼太郎前東京都知事が「2020年の東京」の姿を描きました。この計画は、「2020 年の東京」における8つの目標と「2020 年の東京」を支える「12 のプロジェクト」 から構成されており、東京から 21 世紀の都市モデルを発信し、世界に誇れる都市へと進化させようとするものです。

今回は、特に千代田区に密接に関係するプロジェクトと好むと好まざるに拘らず、訪れる超高齢化社会について、見解をお伺いします。

先ず、始めに

 1  スマートシティプロジェクトについて

スマートシティプロジェクトは、民家、ビルさらにまちが自らエネルギーをコントロールする民間の力を活かしたリーディングプロジェクト(地域振興 策)の実行です。オフィス街の展開に大手町・丸の内・有楽町地区での実現可能調査の項目があります。大・丸・有には、以前から、地域冷暖房システムがあり ますので、ここでの調査は理解できます。東京は、使用電力の多くを他地域に依存し、より効率的なエネルギー利用が東京に求められるのも、理解できます。

しかし、これを実現するために都市再生の制度と総合特区制度を一体的に活用し、容積率を緩和するとしています。東京都は、ここで何をしようとしているのかご存知ですか。千代田区として、このプロジェクトをどのように考えているのでしょうか。お答えください。

 2 水と緑のネットワーク実現プロジェクトについて

水と緑のネットワーク実現プロジェクトは、「水と緑の回廊」がめぐる東京を実現する計画で、2016年には 1,000haの緑創出、100 万本の街路樹を達成するもので、美しい景観を生み出す街路樹を整備するとして、中央通り(秋葉原駅周辺)をあげています。

私の知る限りでは、中央通りの秋葉原駅周辺で街路樹の整備が行われた形跡は、ありません。もし、2016年までに街路樹を整備するのであるならば、東京都と千代田区は、どのように連携していくのですか。

また、東京都は、まちから川へのアプローチを、人を誘う魅力的な空間として再構築するとして隅田川をあげています。千代田区として、このプロジェク トと同様に積極的に河川に出て行き親水性高めるまちづくり考えておりますか。例えば、最近万世橋で川に向かってオープンデッキが完成しましたが、単体で連 続性がありません。これを昌平橋や御茶ノ水橋につなげ、連続性を持たせ、回遊できるようなお考えは、ありますか。お答えください。

最後に

3 超高齢化社会について、お伺いいたします。

東京都の試算では、2020年になると、経験したことのない超高齢社会(4人に1人は、高齢者で1人暮らし)に突入するという予測を立てております。これ に対処するため、生涯現役プロジェクトとして、「東京都版シルバーハローワーク」や見守りネットワークで安心と生きがいを応援する計画を立てています。東 京都とは規模も違いますが、千代田区も超高齢者社会を迎えることは、予想していると思います。都と連携を図りながら、超高齢社会へ向き合っていかねばなり ません。千代田区として、このプロジェクトをどのように考えているか。千代田区独自の計画があるのか、お答えください。

上記の点について、区長並びに関係理事者の明快な答弁を求め「ちよだの声」の代表質問といたします。