千代田区のマンションは、誰のための住宅なのか?――「5年間転売禁止」要請から考える
10月27日付の日本経済新聞に、「三菱地所系に『5年転売禁止』 千代田区が要請」という記事が掲載されました。
千代田区が、区内で計画されている分譲マンションについて、購入後の一定期間、転売を制限する特約を設けるよう事業者に要請するという内容です。
近年、千代田区ではマンション価格が高騰し、住宅が投資や短期転売の対象となることへの懸念が広がっています。
千代田区は2025年7月にも、不動産業界団体に対して、再開発事業などで販売されるマンションについて、引き渡しから原則5年間の転売を禁止する特約を設けるよう要請しています。
今回の報道は、そうした取り組みが具体的な開発計画にも及ぶ動きとして注目されます。
住みたい人が、住み続けられる千代田区であるために
もちろん、民間の不動産取引や住宅への投資を、一律に否定するものではありません。
しかし、私が何より気になるのは、千代田区に住みたい人、そして長く住み続けたい人が、住宅価格や家賃の上昇によって住まいを確保できなくなることです。
子育て世帯が、家族の成長に合わせて広い住宅を求めても、価格が高くて手が届かない。
長年この地域で暮らしてきた方が、住み替えや賃貸契約の更新を機に、区外への転出を考えざるを得なくなる。
こうした状況が広がれば、たとえ新しいマンションが増え、まちの人口が増えたとしても、地域のコミュニティを維持していくことは難しくなります。
大切なのは、規制を要請した後の検証
今回の「5年間の転売禁止」要請は、短期的な投機を抑えるための一つの取り組みです。
しかし、本当に大切なのは、要請したという事実だけではありません。
実際に事業者がどのように対応するのか。
対象となる物件はどこまで広がるのか。
短期的な転売を抑える効果はどの程度あるのか。
そして何より、本当にそこに住む人のための住宅政策につながるのか。
こうした点を継続して確認し、検証していく必要があります。
また、転売対策だけで住宅価格や家賃の問題がすべて解決するわけではありません。
子育て世帯や高齢者を含め、さまざまな世代が安心して暮らし続けられる住環境を、総合的に考えていくことが重要です。
まちづくりの主役は、そこで暮らす人たち
まちづくりは、新しい建物を建てることだけではありません。
そこに人が暮らし、子どもが育ち、商店街や町会に人のつながりが生まれ、次の世代へと地域が受け継がれていくこと。
私は、そうした日々の暮らしの積み重ねこそが、まちの価値をつくっていくのだと思っています。
千代田区のマンションは、誰のための住宅なのか。
この問いを大切にしながら、私、小林たかやも、住み続けられる千代田区のまちづくりについて考え、議会でも取り組んでまいります。
関連情報
- 日本経済新聞(2026年10月27日付)
「三菱地所系に『5年転売禁止』 千代田区が要請」 - 千代田区公式ホームページ(2025年7月18日)
「千代田区内の投機目的でのマンション取引等に関する要請について」