令和8年第3回定例会 代表質問 |「守るべきものは守り、変えるべきものは変える」
9月30日、令和8年第3回千代田区議会定例会において、自由民主党を代表して代表質問を行いました。
物価高、人材不足、公共施設の老朽化、AIの進展、そして首都直下地震への備え。
千代田区が直面するさまざまな課題について、今回は5つの視点から区の考え方と今後の方針をただしました。
「守るべきものは守り、変えるべきものは変える」
質問して終わりではなく、その後、区政が実際にどう変わっていくのかまで確認していくことが議会の役割だと考えています。
今回は、代表質問と区側の答弁、再質問の内容から、主なポイントをご報告します。
1.105億円の不用額を、次の行政改革へ
質問のポイント
令和7年度一般会計では、約105億円の不用額が生じました。
契約差金などによる不用額と、需要予測や事業の遅れによって生じた不用額とを分けて分析し、その結果を令和9年度予算や事業、人員配置の見直しにつなげるよう求めました。
また、AI・DXについても、「何件導入したか」ではなく、業務時間がどれだけ削減されたのか、区民サービスがどのように改善されたのかという成果で評価すべきと提案しました。
区の答弁
区は、各所管による決算分析を踏まえ、財政・人事・企画・デジタル部門が連携し、次年度予算や執行体制を検討すると説明しました。
DXについても、指標を用いて効果を検証し、その結果を予算・組織・人員配置に反映していくとの答弁がありました。
今後の課題
不用額の要因分析が、実際にどの事業の改善や廃止・統合につながったのか。
具体的な成果まで引き続き確認していきます。
2.大型施設の建設費と、スポーツの場を守る
質問のポイント
千代田区は、基金残高約1,304億円、区債残高ゼロという財政状況にあります。
大型施設の整備については、建設費だけを見るのではなく、その後の維持管理費や更新費、工事期間中の代替施設にかかる費用まで含めた総費用を、できるだけ早い段階で把握するよう求めました。
また、新スポーツセンターについては、令和10年度から16年度まで予定される工事期間中に、現在行われている競技や利用者数をどこまで維持するのか、具体的な目標と公表時期について質問しました。
区の答弁
区は、設計の進捗に応じて概算事業費を把握し、維持管理費や代替機能に必要な費用についても考慮すると答弁しました。
主競技場については、小川広場を候補地の一つとし、学校・大学・民間施設・近隣自治体との連携についても検討するとしています。
令和8年度中の整備地決定を目指す一方、詳細な内容の提示時期については「適切な時期」との答弁にとどまりました。
今後の課題
再質問でも、費用の早期把握と、代替施設の役割分担・公表時期を明確にするよう求めました。
施設整備が進む中でも、区民のスポーツや活動の場をできる限り守れるよう、引き続き具体化を確認していきます。
3.マンション政策を区政の中心課題に
質問のポイント
千代田区では、区内居住者の約9割が共同住宅に暮らしています。
区内のマンション509棟のうち、築30年以上のマンションは令和7年時点で204棟。10年後には347棟に増える見込みです。
マンションの問題は、建物の老朽化だけではありません。
防災、福祉、地域コミュニティなど、区政のさまざまな分野に関わる課題です。
区自身が政策立案やデータ管理を担い、まちみらい千代田との役割を整理する必要があると求めました。
区の答弁
区は、マンション施策について、住宅分野だけにとどまらない重要な施策であるとの認識を示しました。
そのうえで、区とまちみらい千代田の役割を整理し、令和9年度に向けて「一元化も含め」執行体制を検討すると答弁しました。
今後の課題
どの機能を区が直接担い、どの支援をまちみらい千代田が担うのか。
具体的な組織や役割分担まで引き続き確認していきます。
4.AIに答えを任せず、自分で考える教育へ
質問のポイント
「AIが答えを出す時代に、子どもたちは何のために学ぶのか」。
AIを使うこと自体が目的なのではなく、AIの回答を検証し、事実と意見を区別し、自分自身の言葉で考えを表現する力を育てていくことが重要です。
千代田区が進める「ちよだリテラシー教育」を土台として、発達段階に応じたAIの活用範囲や、学習効果をどのように測っていくのかについて質問しました。
区の答弁
区は、AIを「思考の代替」ではなく、学びを支える道具として位置づけると説明しました。
小学校では教師の指導のもとで活用し、中学校では情報を比較する力、中等教育学校後期課程では主体的・批判的に活用する力を育てていくとしています。
また、ちよだリテラシー検定や授業での成果物などを通じて、学習効果を把握していくとの答弁でした。
今後の課題
再質問では、発達段階ごとのAIの使い方についても確認しました。
子どもたちがAIの答えをそのまま受け入れるのではなく、自ら考え、判断する力をどのように育て、その成長を授業の中でどう確かめていくのか、今後も注視していきます。
5.通信が止まっても届く防災情報、そしてドローン活用へ
質問のポイント
大規模災害では、停電や通信障害が発生する可能性があります。
そのような状況でも、区民や帰宅困難者に必要な情報を届けることができるのか。
また、Jアラートの訂正情報や偽情報への対応についても確認しました。
さらに、災害発生時にドローンを活用して被害状況を把握し、その情報を実際の災害対策本部の判断につなげる仕組みについて質問しました。
区の答弁
区は、災害対策本部などの電源を3日間確保できるよう備えているほか、MCA無線などを使った通信訓練を毎月実施していると説明しました。
誤った情報についても、区の公式媒体を通じて訂正情報を発信するとしています。
一方、ドローンについては、飛行規制などを理由に、区自身による運用検証は行っておらず、今後も調査・研究を続けるとの答弁でした。
今後の課題
再質問では、他自治体との協定や災害時の適用除外なども含め、より具体的な活用方法を検討するよう求めました。
区からは、他自治体の事例や協定状況を参考に調査・研究していくとの答弁がありました。
防災では、「使えるかもしれない」ではなく、いざという時に本当に使える仕組みを平時から準備しておくことが重要です。
引き続き具体的な取組を求めていきます。
「質問して終わり」にしません
今回の代表質問で示された方針が、令和9年度予算、組織の見直し、施設整備、教育、防災など、実際の区政の取組にどうつながっていくのか。
大切なのは、答弁を得ることそのものではなく、その後の変化です。
これからも議会で継続して確認し、その経過と結果を区民の皆さんに報告してまいります。
千代田区議会議員
小林たかや
※本記事は、9月30日の代表質問・答弁・再質問の議事録をもとに、内容の要点を分かりやすく整理したものです。答弁は趣旨をまとめており、全文転載ではありません。re