第4回定例会ちよだの声代表質問 全文 小林たかや

長くなりますが全文を掲載します。

H26年第4回定例会にあたり、ちよだの声を代表して、質問いたします。

千代田区の地域特性を踏まえた防災対策について

 

まず最初に

1.千代田区の防災対策の基本的な考え方について、お伺いいたします。

2011年3月11日に発生した東日本大震災は我々に貴重な教訓を与えてくれました。この大災害は地域に最も身近な地方自治体における防災危機の見直し、管理体制の強化という喫緊の課題を提起したと言えるでしょう。

震災後、区は既に、避難所運営、帰宅困難者対策、情報連絡、女性の視点での防災対策などを中心に検討し平成24年4月に公表された「首都直下地震等による東京の被害想定」や東京都地域防災計画(平成24年修正)を踏まえて抜本的な見直しを行ないました。

しかし、首都東京の状況は刻々と変化しており、近い将来、必ずや発生すると言われている首都直下地震に対して万全の体制を整えておくことは自治体の責務であり、そうした観点から千代田区の防災対策の課題をあらためて洗い出し、より一層充実させていくことが求められています。

始めに

先の大震災の教訓を踏まえ、区の防災対策の基本となる考え方をお聞かせください。

 

次に

2.防災対策を進める上で課題と千代田区ならではの取組みついてお伺いいたします。

防災対策は多岐にわたるものであり、ソフト・ハードの両面から包括的に取り組むことが肝要であります。近年、区民の防災や危機管理に対する意識は高まりをみせており、こうした機運を盛り上げていくことで地域の防災対策に関心を持ってもらうことは、たいへん有効だと思われます。

区が防災対策を進めていく上でさまざまな課題があるかと思います。

今後、さらなる施策展開を図っていく上で、具体的にどのような課題があるのか、そしてそれらの課題に対して、区はどのような対策を考えられているのかお聞かせください。

 

次に

3、マンション防災対策の現状と今後の方向性ついてお伺いいたします。

千代田区では8割を超える区民が、マンション等の集合住宅に居住しています。こうした状況を踏まえますと、従来の町会や連合町会を中心とした防災対策に加えて、マンションに焦点をあてた防災対策もたいへん重要になってまいります。マンション住民の中には、行政や地域との関わりを望まない方々が増えており、地域コミュニティの希薄化が懸念されています。しかしながら、区民の生命・財産に関わる防災対策というのは待ったなしの課題であります。

隣接区ではマンション防災に関する情報提供や支援がかなり充実しておりますが、それに比較いたしますと、千代田区の施策は脆弱ではないでしょうか。(新宿区・中央区・港区のマンション防災冊子提示)

 

区は、マンション防災施策の現状をどのように評価し、今後、どのように進展させていかれるおつもりなのかお聞かせください。

 

また、現在マンション防災対策として管理組合等に防災備蓄物資購入費の助成を行っていますが、対象管理組合数はどれくらいで実際今まで何件に助成を行なっているのですか。現在の補助金交付実績、AED貸与件実数、エレベーター内非常用キャビネット設置実数はどうなっているのですか。これらを今後はどう展開するのですかお聞かせください。

 

次に

4.区と「まちみらい千代田」との役割分担ついてお伺いいたします。

現在、区は「まちみらい千代田」と連携してマンション防災対策を進めています。「まちみらい千代田」が、民間ならではの機動力とノウハウを活かして、迅速かつきめ細やかなサービスを提供していくことが大いに期待されています。

「まちみらい千代田」が、防災を切り口にマンション内コミュニティの醸成を支援していくことも大変有意義なことと考えます。

ただ、こうした連携体制というのは、往々にして責任の所在があいまいになりがちです。もし、8割を超える区民の防災対策を、「まちみらい千代田」に丸投げするようであれば、それは区の責任放棄であり、防災・危機管理課など不要となってしまいます。

マンション住民の利便性を考え、「まちみらい千代田」がマンション防災の総合窓口機能を務めることは結構なことですが、マンション防災に関する基本理念や施策は区がしっかりと確立する必要があります。区にはその覚悟がお有りなのか、そしてスピード感をもってマンション防災施策の充実に取り組んでいかれるお積りか、ご見解をお聞かせください。

 

次に

5.町会への防災用資機材等の購入費用助成ついてお伺いします。

区は、町会へ防災用備蓄資機材等の購入を年度ごとに1回、購入費用の4分の3、10万円を限度で助成しています。

具体的には、非常用食料や飲料水、医療品、携帯トイレ、ヘルメット、テント、懐中電灯等です。

そこで過去3年をさかのぼって助成状況を見てみると109町会のうち 3年連続で助成を受けている町会は、16町会、2年連続は、16町会、1年のみは、23町会、一度も助成を受けていない町会は、54町会と約半数に当たります。

もちろん、助成金は申請主義ですので必要のない町会は、申請をしていないのです。しかし、近い将来、首都直下地震が想定されていることを考えると必要がない町会はないはずです。防災助成が周知されているのか、この原因と現状をどのように評価し、今後、どのように展開させていかれるおつもりなのかお聞かせください。

 

最後に

6.防災用資機材等収納のための区内倉庫設置状況ついてお伺いいたします。

ここで町会倉庫の設置状況を見てみまと109町会の約70カ所に倉庫が設置されています。町会倉庫を保有していない町会は、39町会あります。町会倉庫を保有している町会で区が関与している倉庫は、39戸あり、その設置場所は、国道、都道、区道、首都高速道路、広場、植込み、都市公園、児童遊園、区有地などです。

現状では町会倉庫の設置状況は、区の関与と密接な関係にあるのではないでしょうか。区が関与しない町会は、倉庫が持てない状況にあるのではないでしょうか。

また、神田消防団第3分団の「防災資機材 格納庫」は、神田佐久間河岸の和泉橋たもとに設置されておりますが既に手狭で、お困りと聞いております。区としても地域防災を配慮して、各消防団の活動範囲で適地に必要に応じて新たな倉庫を提供しては如何ですか。

先ほど指摘しましたが町会の防災用資機材等の購入品は、町会倉庫との関係を見ますと倉庫を持っていない町会は、備蓄する場所がないために置く場所がないと考えられます。町会倉庫の有無は重要なファクターであると感じます。倉庫のない21町会は、助成金の申請をしていません。

一方で、倉庫があっても防災用備蓄資機材等の購入助成の申請をしていない町会が32町会あります。この助成金の存在を知っているのでしょうか。

私は首都直下地震が想定される現状を鑑みると住民の身近なところに町会の防災倉庫等は必要だと思います。区は、現状をどのように評価し、

今後、どのように展開させていかれるおつもりなのかお聞かせください。

 

2.幼児教育について

 

幼児期における豊かな感性をはぐくむための視点についてお尋ねいたします。

「3つ子の魂、百まで」という日本のことわざがあります。幼児期に受けた教育によって形成された性質・性格は、大人になっても根底は変わらないという意味です。幼い時代に影響を受けた価値観や道徳観は、その人の将来の人生を形成します。感性や美意識も同様であると言われております。脳の神経細胞の発達は、生後3歳くらいまでの期間に、急速に発達し、脳内神経細胞のおよそ80パーセントが完成されると言われています。幼児教育は、子育ての中でも最も力を入れる時期だと言われております。

そこで幼児教育における豊かな感性をはぐくむための視点について下記の3点のご見解をお伺いします。

まず一点目は、千代田区という大都会の特性から、幼い子どもたちが自然や小動物に接する機会が少ないことが懸念されます。土や草の匂いや風の感触を感じることなく、物心ついた時に身近にいた動物がペットの犬や猫、公園の鳩だけだったというのでは、あまりにも淋しいと言わざるをえません。

この点については、いかにお考えでしょうか。

次に二点目として、テレビやインターネット、果ては街中に氾濫するネオンサイン広告物にいたるまで大量の通俗的な情報に囲まれる中で、いかにして古典的な芸術や伝統的な美に触れる機会を確保するかということも大切です。本格的な芸術鑑賞とまではいかなくても、日常的に美しい絵画や音楽に接することは必要と思われます。

この点については、いかにお考えでしょうか。

三点目としては、感性の領域でもグローバルな視点をはぐくむ幼児教育も大切です。将来の多文化共生の教育の下地としても、幼い頃からグローバルな文化に触れることも求められています。

たとえば様々な人種の人たちが描かれている外国の絵本に親しんだり、いろいろなリズム感をもった海外の音楽に触れたりすることで、自然と国際的な感性も育っていくでしょう。

この点については、いかにお考えでしょうか。

 

あわせて、以上、三点にわたって現在の区の取り組みや今後の課題についてお聞かせください。 

最後に

3.ヒューマンエラーについてお伺いします。

ヒューマンエラーとは、人為的過誤や失敗 (ミス) のことですがヒューマンエラーは 何故 起きるのでしょうか。私は人がミスをした場合、ミスが起こりやすい状況や原因があると考えております。問題はその人だけあるのではなく、そのプロセスにあると考えて根本的な原因をつきとめ対策を考えなくてはなりません。

ここ数年に千代田区で発生したヒューマンエラーを振り返ってみましょう。

1. 平成25年11月18日 平成24年度分住民税に課税の誤りがあり、

約1千万円を超える課税忘れの徴収ミスが発生しました。

1. 住民税(110件)総額約 630万円

2. 国民健康保険料(37世帯)総額約 213万円

3. 介護保険料(82件)総額約159万円 等 となっていますが徴税は、行政機関の基本的な業務でこれを間違えたら区民の信用は得られないと思われます。

2.平成26年4月18日 保育料に算定ミスがありました。17人の保育料が間違いで、原因は職員の入力ミスとチェック漏れでした。
これら2点のミスは、チェック体制が機能していなかったのが原因と報告されています。

私はヒューマンエラーの原因は、その人だけにあるのではなく、そのプロセスにあると指摘しました。ミスが起こりやすい状況に原因があるのです。

千代田区のプレスリリースによりますと、
平成24年12月25日 欠勤により職員を処分
平成26年11月6日 欠勤・遅参により職員を処分と報告されております。
大組織ならばともかく、千代田区は、職員1,080人の普通の組織です。
これらを見ると、職員は疲弊している。疲れているのではないかと考えざるをえません。

ここ数年予算はついても執行できず、執行残が多いと感じるのは、私だけではないと思います。

私は、直感的に現在のヒューマンエラーの原因が職員数の不足から発生しているように感じてなりません。

人件費を削って、業者委託、指定管理、民営化していますが行き過ぎているのではないでしょうか。

区立の認可保育園を見ても、派遣職員や非常勤職員がいないと保育園は、回りませんし、回せません。正規職員との引き継ぎ業務も充分取れず、個人の能力に頼って動いているのが現状と思います。計算ミスや記帳ミスならば訂正が利きますが、こと人命に関しては、ミスは取り返しがつきません。私はこの点が今一番心配です。

ここで質問します。

先ず、現在職員は、適正に配置されておりますか。

職員定数条例の1,080人と行革条例の人件費率25%に縛られてしかるべき部署に人員が不足しておりませんか。区長のご見解をお伺いします。

次にヒューマンエラーにいかに対処するか。組織づくりと人づくりを再考して、ヒューマンエラーを防止する方策について、どのようにお考えですか。ご見解をお示しください。

私は、先ず、職員定数条例を改正し、行革条例の人件費率25%を見直し部課の適正規模を考えて、正規職員を増員したのち、一つの対策として今日の多様化する業務には、PT(プロジェクトチーム)で対応すべきだと考えております。自分の部課だけでは、もはや区民のニーズに即応できません。様々な課題に対して横断的にPT(プロジェクトチーム)をつくり課題解決することが求められております。最近の区でPT(プロジェクトチーム)が活発に動いていることを聞きませんが現状はどうなっているのですか。現在の区の組織と職員育成の取り組みや現在の課題についてお聞かせください。

以上 石川区長並びに関係理事者の明快な答弁を求めて質問を終わります。